ヒメシロチョウ

 2002年発行の「レッドデータブックおおいた」〈普及版〉(大分県立図書館所蔵)には「おもな生息地である久住高原・飯田高原では、観光開発や草地改良などによって、高原のススキ草原が改変されたため、1980年代以降、急激に減少し、絶滅の危険性が高くなっている。」とあります。しかし、このような草原性のチョウの減少は「ススキ草原の改変」もあると思いますが、草刈り機の普及による「再三にわたる徹底的な草刈り」しかも「地面が見えるほどの完璧さ」さらには「毎年のすさまじい野焼き」も関係していると思います。
 久住高原にはもういません。豊後大野市での発見は初めて(2004.7.2)と思いますが厳しい状況です。極めて数は少なく、採取の自粛を切に希望します。いとも簡単に採り尽くせるほどしかいません。年4化です。おそらく九州全域で4化と思います(やどりが (230), 28-30, 2011-10-10)。
 

 平成21年3月31日(火)。♂。豊後大野市。日本一早いヒメシロチョウです。


 平成19年4月26日(木)。。九重町。春のヒメシロチョウは灰色の鱗粉が目立ち、きわめてうすく黄色みを帯びます。


 平成20年4月27日(日)。。九重町。
 春型は飛んでいても留まっていても、♀♂の判断がやや難しいと思います。♂は前翅表の翅頂付近が少しだけ黒くなり、翅はやや細身、♀はやや丸みを帯びている様に見えます。タンポポで吸蜜するのを待って撮っています。


 平成19年4月28日(土)。左♀、右♂。九重町。対面して触角を触れ合わせ、♂はストローも伸ばし♀に求愛をしていますが、♀は求愛拒否です。このような状態から交尾に至ることはありません。交尾するとき、♂と♀は同じ方向に並列し、♂がお尻を♀に伸ばします。


 平成21年7月28日(火)。♂。豊後大野市。


 平成19年7月1日(日)。左、右。豊後大野市。左90°回転が正しい構図。非常に厳しい環境に生きているが、いつまでも世代を継いでほしいと願う。


 平成17年8月5日(金)。。豊後大野市。この後、産卵をしました。


 平成19年8月20日(月)。♂。九重町。♂はよく吸水をします


 平成17年9月8日(木)。。豊後大野市。


 平成22年4月25日(日)。上♂、下♀。豊後大野市。


 平成22年9月6日(月)。豊後大野市。同じ場所に何匹も来て続けて産卵する傾向があるようです。写真はツルフジバカマですが、クサフジにも普通に産卵します。


 平成22年8月23日(月)。豊後大野市。食草ツルフジバカマ。


 平成22年9月11日(土)。豊後大野市、飼育。下と同じ個体。


 平成22年9月11日(土)。豊後大野市、飼育。蛹の中はゲル状になっており、組織や器官は認められません。数日の内に不透明になるでしょう。上・下と同じ個体。


 平成22年9月19日(日)。♀。豊後大野市、飼育。上と同じ個体。羽化が近くなると透けて見えるため、♀♂が分かります。


 平成22年9月20日(月)。♂。豊後大野市、飼育。