ミカドアゲハ
難しい被写体です。食樹としてオガタマノキが良く知られています。しかし、園芸種のオガタマノキ(カラタネオガタマ、トウオガタマ、ポートワイン)も食樹としています。飼育には園芸種のオガタマノキ(大木にならない)やタイサンボクの軟らかい大きな葉っぱや花びら(傷みやすいという欠点はある)がお勧めです。上2枚以外は飼育。
平成21年4月17日(金)。♂。下と同一個体。春型は裏面の淡橙黄色が広がる。
平成21年4月17日(金)。♂。上と同一個体。
平成27年7月5日(日)。♀。下と同一個体。
平成27年7月5日(日)。♀。上と同一個体。お尻を撮ってみました。
平成27年7月5日(日)。♂。翅裏に♀♂差はほとんどありません。
平成27年6月3日(水)。終齢幼虫。食草はオガタマノキ(ポートワイン)。眼が愛らしい・・・。
平成27年6月6日(土)。葉柄向き。ポートワイン。
平成27年8月7日(金)。葉先向き。ポートワイン。かじり痕までまで真似る芸の細かさ。葉柄を糸でしっかり括り付け落葉を防いでいるように見えます。
平成28年7月14日(木)。葉柄向き。オガタマノキ。
平成28年7月14日(木)。葉柄向き。オガタマノキ。
平成27年8月20日(木)。若宮八幡社。葉先向。蛹化位置に注目。オガタマノキ。
原色日本蝶類生態図鑑(T),93 より。
在来種オガタマノキ(Michelia compressa)で蛹化するとき、大分では葉柄向きと葉先向きがあります。葉先向きサナギがやや多い傾向にあります。たくさんあるネットの写真を見ると、蛹化方向は葉先向き・蛹化位置は葉柄の際が普通のようです。図鑑も「葉柄と葉身の境目付近に腹端を固定し、葉先を向いて蛹化する結果、背面の模様が葉脈とまぎらわしくなる。」と説明しています。
これは、年1化の地域だけに当てはまります。多化地域では葉先向きと葉柄向きが発生し、葉先向きは越冬サナギになり、葉柄向きは年内羽化のサナギになります。
園芸種オガタマノキ(Michelia figo )では、葉先向きサナギと葉柄向きサナギがほぼ同じ割合で発生し、全て年内羽化をします。
参考文献
福田春夫他、昭和57年、原色日本蝶類生態図鑑(T) 、90-97、保育社。
ミカドアゲハの蛹化方向−葉先方向?それとも葉柄方向?−、2016、タテハモドキ(51)、1-6、宮崎昆虫同好会。
ミカドアゲハの蛹化方向−葉先方向?それとも葉柄方向?−(U)、2017、タテハモドキ(52),1-8、宮崎昆虫同好会。
ミカドアゲハの蛹化方向−葉先方向?それとも葉柄方向?−(V)、2017、タテハモドキ(53),97-98、宮崎昆虫同好会。
上田恵介、大山弘貴、2013、アオスジアゲハとミカドアゲハの蛹の擬装〜形態と葉への付き方〜、立教大学理学部生命理学科
上田恵介、木下豪、2013、アオスジアゲハにおける幼虫・蛹のカモフラージュと葉への付き方、立教大学理学部生命理学科
平成28年7月21日(木)。蜂は場所を覚えていて、繰り返しやってきて、葉っぱを一枚一枚丁寧に調べます。幼虫が全滅することも珍しくありません。屋外で飼育するときは必ず網を被せておく必要があります。
今回はできるだけ自然にという事で網をしていませんでしたが、結果は予想されたとおりです。
平成28年7月23日(土)。若宮八幡社。上♀、下♂。
平成29年6月14日(水)。色違い。普通に珍しい。
平成29年6月16日(金)。逆光で撮っています。体が少し透けて、上との色の違いがよく分かります。緑色のサナギがもっとも普通に見られます。
平成29年6月5日(月)。やや逆光ぎみ。プラスチックの洗濯物干しで蛹化。サナギには色々とあるようです。
令和3年6月4日(月)。カーテンレースで踊化。周囲の状況に合わせて色を変えているように見える。
令和3年6月16日(土)。下と同一個体。
令和3年6月16日(土)。♂。上と同一個体。
平成28年9月22日(木)。♂。